"漫画" "面白い""ランキング"

漫画に飽きるまで

漫画について

バトル・スポーツ・サクセスストーリー系漫画における、『読者に伝わりやすい主人公の強さ(素質)』の描き方への考察

 

バトル・スポーツ・サクセスストーリー系漫画における、『読者に伝わりやすい主人公の強さ(素質)』のポイントを2つにまとめて考えてみました。

前提として、これらの系統での主人公は強さか素質のどちらかを持ち得ないとストーリーに絡んでいくことが不可能なため、読者に伝える場面は必須であると考えます。

 

①主人公より上の立場の人間から読者へ向けて説明させる

→説得力が出る

まず、「主人公は凄い」というのを「誰に」読者へ向けて発信させていくかですが、これは脇役やパートナー、師匠など、その世界で評価せれていて、かつ肩書きや立場を持った人間が効果的です。利点は以下の通り2つあります。

 

・弱いモブキャラに発信させるよりも説得力がある

簡単な状況説明に弱いモブキャラを使うのは有りに思えますが、本当にいちいち驚くことなのか疑問を持ってしまったり、そもそも継続して戦闘に絡んでいくのが難しいため、長い視点で主人公の成長を発信していく面で向いていないと思います。

 

・主人公に自分で発信させるより説得力があり、テンポも落ちない

主人公は情報を集める読者の視点であり、自分語りは過去の出来事が中心となってしまうため、話が停滞してしまいます。例えばドラゴンボールの悟空が「オラ、この前クマ10体倒した」とイキリ出すより、見たことのない文明機器を使いこなす頭が良さそうなブルマに、出会って数分で(組んだらメリットがある)と思わせた事実の方が、悟空の凄さが自然に読者に伝わると思います。

また、悟空がブルマの凄さを読者に説明する→ブルマが悟空の凄さを…というように相互理解の形を取ることで、読者に両者の凄まじさが浸透していき、(あの悟空の攻撃を避けるなんて…)(ブルマでも分からない兵器…)と、彼らの発言の説得力も増していきます。

 

また最近の作品では、鬼滅の刃→柱たち、ワールドトリガー→空閑遊真・迅悠一、ハンターハンター→キルア・クラピカ・ヒソカなど、主人公以上の実力を持つキャラクターが複数人いる構成も珍しくなく、主人公の強さを補完する手段として有用に思えます。また、継続的に情報を発信できる点から「味方キャラ」である事は重要な要素です。

 

 

②敵キャラに強さの階級を設定する

→強さの基準が明確になる

階級があると強さの基準が分かりやすく、更に敵キャラへの対処で味方キャラの個性を容易に描くことができます。また戦って勝つというシンプルな構造に対してゴール(上限)を設けることで、読者が話の進展具合を把握しやすくなります。ただし、味方と共通の基準(戦闘数値など)にしてしまうとインフレが起こってしまいがちのため、味方と敵の強さの階級は連動していても別軸であると、後の展開に応用が効くように思えます。

 

 

以上です。ありがとうございました。

 

 

名前を挙げた作品一覧