"漫画" "面白い""ランキング"

漫画に飽きるまで

漫画について

俺マン2019まとめ

 

 

1年間、お疲れ様でした。

 

俺マン2017まとめ - 漫画に飽きるまで

俺マン2018まとめ - 漫画に飽きるまで

 

 

俺マンは参加するのが4回目、記事にするのは3回目になります。

こうして1年間を振り返ることのできる、良い文化として定着しつつあります。

 

 

 

もくじ

 

 

 

 

 

 

俺マン2019:継続編

連載中のものです

1位 ブルーピリオド

ブルーピリオド(6) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(6) (アフタヌーンコミックス)

 

積み上げてきたものが爆発した6巻でした。単純に「1冊」に対して格別に集中できましたし、期待以上の読み応えでした。

5巻までは6巻の過程でしかないのですが、それ自体もひたすらに面白かったおかげで、今回は一段階ギアを上げられただけですぐに参ってしまった。

 

 

2位 シオリエクスペリエンス

漫画において「正解」を導き出したパフォーマンス。

いつかツイートしましたが、漫画は「どの場面を」「どの角度で」切り取るか、の選択の連続でしかなく、その全てを当て続けている、奇跡のような作品です。

漫画の唯一無二の技術、『視線誘導』を100%発揮し、その上でキャラクターや音楽の表情を組み込んできます。4回読んで、4回泣きました。

 

 

3位 ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ(22) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(22) (アフタヌーンKC)

  • 作者:幸村 誠
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: コミック
 

この漫画を読んでいると、「普通の漫画に飽きたから表現で遊んだ」という作者の茶目っ気が窺える気がします。

特に宿敵ガルムの性格の根源とも言える描写は短いながらも衝撃を持っており、一発で理解できる“ヤバさ”に心が震えた。ストーリーを進めながらも「死」や「愛」などのテーマを片時も忘れておらず、安心して本棚に置ける傑作です。

 

 

4位 鬼滅の刃

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

泣いた。語彙力ゼロになってしまう、褒めどころしかない作品。乱戦が上手いとかチープな表現で申し訳なさ過ぎるのですが、「勢い」と「息つぎ」が絶妙で、面白く止まらないのに疲れない。そして読み返す。

戦況はセリフとモノローグ両方で語るべきなのかもしれない。そんな事より、上弦参はどういうことでしょうか。私は、命を燃やして、尽きる前に人に繋いでいく、残していく、その姿に、漫画越しにでもこのキャラクター達に「出会えて良かった」と強く思うのです。

 

 

5位 亜人

亜人(15) (アフタヌーンKC)

亜人(15) (アフタヌーンKC)

 

ここ数年ずっと面白い。「アホでも分かる」のに「誰も考えつかない」アイディアを連発しています。

演出面もなかなか尖っていて、スローテンポに思える“焦らし”が読者の期待と不安を煽る。1ページ先がわからない、平常心で狂った漫画です。

 

 

6位 僕の心のヤバイやつ

僕の心のヤバイやつ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

僕の心のヤバイやつ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

 

夢がある。

 

陰キャ、ここに集え。

 

 

7位 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!

遅効性SF…。掘れば掘るほど果てしない情報の世界…。などなど、適当な肩書きが思い浮かばない、異色の青春漫画。

「関係性」と「シチュエーション」のみで面白い話を描き続けるコメディ、本当に凄いと思います。修学旅行編から動き出し、“蚊帳の外”だった人間が“内側”の人間を次々に周囲へ呼び寄せていく様子は、ただただオタクを感動させてしまう。

 

 

8位 ザ・ファブル

ザ・ファブル(20) (ヤングマガジンコミックス)

ザ・ファブル(20) (ヤングマガジンコミックス)

 

今年に一気読みしました。「ー」の文末に吸い寄せられるように読み進めてしまい、気づいたらすごく面白いことになっていた。

あと数冊で1部が完結するらしいのですが、どんな幕になるのか想像もできない。

 

 

9位 血と灰の女王

血と灰の女王 (8) (裏少年サンデーコミックス)

血と灰の女王 (8) (裏少年サンデーコミックス)

 

シオリエクスペリエンス、亜人に並び、3年連続で俺マンに入れている好き好き作品。

無料アプリで追っているのでどうしてもコミックス単位の感想が出せないのですが、このために月曜日を乗り切って会社に行っているのは確かです。

 

 

10位 夜と海

夜と海 2 (芳文社コミックス)

夜と海 2 (芳文社コミックス)

  • 作者:郷本
  • 出版社/メーカー: 芳文社
  • 発売日: 2019/07/16
  • メディア: コミック
 

個人的に更にもっと評価されて欲しい作者さんです。漫画を作るセンスが卓越しており、「百合」や「ネコ漫画」など、私が普段触れないジャンルの物も一瞬で虜になった。

たぶん何を描かせても面白くなるのでしょうが、ひとまず連載中の2作の完結を見届けるのが楽しみです。

 

 

 

 

俺マン2019:完結編

年内に完結したものです

1位 ハイスコアガール

泣くしかねえ最終回。

私は見てきたんです。9冊に渡り、2人の男女が山を越え谷を越え、静かに寄り添ってきた光景を。それでも、芯が強すぎて、なかなか素直になれない関係を。「尊い」という感情にあまり覚えがないのですが、夜中に関わらず近所を大声で駆け回りたくなった衝動は“それ”なのでしょうか…。

 

 

2位 培養肉くん

培養肉くん 2 (ビームコミックス)

培養肉くん 2 (ビームコミックス)

 

誰も描けない ボーイ・ミーツ・ミート、スペースオデッセイ。

私が「今まで1番面白かった漫画は?」と聞かれた際に候補として抑えている作品です。宮崎夏次系への愛を語ると長くなってしまうので止めますが、著者の作品を一通りお楽しみいただいてから出会って欲しいと思います。とにかく「見たことない」「見ることのない」場面が目白押しなんです。哀愁漂うユーモアの魅力に手が止まらなかった。

 

 

3位 ひゃくえむ。

ひゃくえむ。(1) (KCデラックス)

ひゃくえむ。(1) (KCデラックス)

  • 作者:魚豊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: コミック
 

1〜2巻までは「短距離走の漫画?何だそれ〜心配だな〜」と読んでいたのですが、いざ終わってみると作者に土下座の6文字で心を埋め尽くされました。

持ち合わせていたエネルギーを全てぶつけられるのは100Mという距離でしたし、それ以上でもそれ以下でもない。実力を150%出し切って堂々と完走した、後世に語り継がれるべく、まごう事無き傑作です。

 

 

4位 ロッキンユー!!!

ロッキンユー!!! 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ロッキンユー!!! 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

オタクがオタクに送る、「気持ち悪さ」と「カッコよさ」の曖昧な線引き。

私も一端のオタクなので『誰にも理解されない重すぎる愛』のなんとも言えない気色悪い様子は理解しております。そして当然その素晴らしさも。オタクという生物を肯定する訳でも否定する訳でもない。ただ突き放す。その辺の不確かな定義に突っ込んでいく、攻めた発言が非常にツボでした。音楽漫画としても斬新。

 

 

5位 乙女文藝ハッカソン

乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

 

女子大生のバタバタ執筆コメディ。

かなりストーリーの強さを感じた作品です。小説は他のエンタメと違い『ストーリーの破綻・矛盾』に目が行きやすく、情報量の徹底的な配慮が不可欠なのではと本作を読んで漫画オタクは思いました。ブルーピリオドと同じく『手段』を提示しながら『応用』を披露していく深い技術は、未知の分野への探究心を刺激されます。ぜひ小説好きな方の感想が見たい。

 

 

6位 響 -小説家になる方法-

響~小説家になる方法~(13) (ビッグコミックス)

響~小説家になる方法~(13) (ビッグコミックス)

 

なんとも言えぬ絶妙な長さで切りましたね。事実、5〜6巻あたりで話のピークを持って来ている作品ですので、それ以降が面白く描けているのが奇跡だと思っています。

未来を描いて『結論』を出すタイプと現状に留めて『お任せ』するタイプのラストが存在すると思いますが、後者になるのかな。勢い重視な面もあったので、有りな締めだと思います。お疲れ様でした。

 

 

7位 恋のツキ

恋のツキ(7) (モーニング KC)

恋のツキ(7) (モーニング KC)

  • 作者:新田 章
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: コミック
 

これまたラストに期待が乗っかっていた作品です。

二股が『悪』か『有り』なのかハッキリした解答は出さず、あくまで登場人物たちの個人の人生観によるエンドになっており、上手く良い方に逸らしたなと思います。稀に身震いするほどカッコイイ視点のコマがあり、映画とか好きな人は気づいて感心したのではないでしょうか。かつてない嫌な焦燥感をありがとうございました。

 

 

8位 団地ともお

団地ともお (33) (ビッグコミックス)

団地ともお (33) (ビッグコミックス)

  • 作者:小田 扉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/03/29
  • メディア: コミック
 

長期連載お疲れ様でした。

あまりハズレの1冊が思い浮かばない作品でしたが、32巻で「あれ…?」と感じてしまい、その次で完結となりました。33巻は大当たりで、カレンダーや宇宙人の話も大満足。最終回は予測すること自体は可能なんですが、この作品が好きであるほど、当たる可能性はほぼ皆無なエピソードでした。

 

 

9位 起きてください、草壁さん

起きてください、草壁さん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
 

秋★枝さんは当たる時とそうでもない時があり、本作はかなり好きな内容でした。

無限に同じ空間で「寝てたい」「おやおや」のやりとりをしてるだけなのですが、その「喋り」こそ著者の武器であり、読者が欲してる要素であったと思います。もう1〜2冊くらい読みたい気持ちもありますが、結構良いラストになっているので満足です。

 

 

10位 よんでますよ、アザゼルさん

よんでますよ、アザゼルさん。(16) (イブニングKC)

よんでますよ、アザゼルさん。(16) (イブニングKC)

 

私は人がドン引きするような「気持ち悪いゲス」が大好きですので、本作は貴重な供給源でした。

ただ12巻くらいから探偵としてのストーリーは死んでおり、ギャグを乗っけるにも土台がないように感じました。そんな中でも最終回では9割の伏線が回収されていて、初めて構成の良さに気づかされた。もう少しちゃんと描いて欲しかった。

 

 

 

 

俺マン2019:新規編

今年に1巻が出たものです

1位 スキップとローファー

スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス)

スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス)

 

文句がない作品です。

漫画において「読者が気持ちよく読める作り」が整っており、これがアニメや映画なら面白さを表現しきれないと思います。主人公や周囲のキャラクターも人間味がわかる「情報量」を持っており、作品のテーマや全貌はすぐに理解できるのに1話先がわからない、と言った不思議な状態。2巻までがとても良いので逆に3巻が心配。

 

 

2位 吾峠呼世晴 短編集

吾峠呼世晴短編集 (ジャンプコミックス)

吾峠呼世晴短編集 (ジャンプコミックス)

 

完璧でした。

矛盾しているのですが『情報の遮断による表現』が上手いんです。情報を乗っけるだけなら誰でもできます。著者は服であったり、登場場面であったり、価値観であったり、セリフであったり、全てが『端的』にキャラクターの『個性』を脳にねじ込んできます。本当に読み切りなんでしょうか。読み切りで「キャラクターを本気で好きにさせる」事が、漫画の技術の範囲で実現可能であったとは。出会った短編集では1番です。

 

 

3位 水は海に向かって流れる

水は海に向かって流れる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

水は海に向かって流れる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 

すっかり有名になってしまった「コメディで塗りたくられた修羅場」。

まさに進化の途上に居る作者さんで、乗っかるなら今、という旬な作品。コマの境界を自由にまたぐ「吹き出しの位置」が面白さの秘密でないかと私は勘ぐっています。2巻にて直立姿勢で肩を揺らしながらタダをこねる主人公の擬音が「みょんみょんみょん」であったことから、擬音上手すぎ漫画家ランキング1位に君臨しました。

 

 

4位 アンダーニンジャ

アンダーニンジャ(1) (ヤングマガジンコミックス)

アンダーニンジャ(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

ベテラン作家が描くちょっと情けない現代忍者アクション。

花沢健吾さんは中学生の時から愛読している好きな作者さんです。特に今作は「スロースタート」でありながらも前作のゾンビよりはトリガーが多く、著者きっての多くのキャラクターが序盤から登場しています。設定は少年漫画なのにそれ以外の全てが青年漫画の魅力に変換されており、傑作の予感に興奮を抑えきれない。

 

 

5位 大ダーク

大ダーク (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

大ダーク (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

  • 作者:林田 球
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/11/12
  • メディア: コミック
 

画力と設定が噛み合った自由過ぎるファンタジー

ドロヘドロ終盤の作画にパターン化を感じていた私は、正直そんなには期待していませんでした。しかし「ただ飽きていただけだった」。アクションシーンに大コマを使って頂けて感無量です。もうミステリーも真相も要らないから、オリジナル世界観の街並みだけ散歩してください。7巻くらいで締めて次に行って欲しい。

 

 

6位 ニジとクロ

ニジとクロ: 1【イラスト特典付】 (REXコミックス)

ニジとクロ: 1【イラスト特典付】 (REXコミックス)

 

"癒し"を得られる、貴重な漫画体験。

上質な作画にキャラクターを放り込んだだけのような作品で、ファンタジー色の薄い日常モノ。あまり触れないジャンルなのですが「よつばと!!」のようなキャラクターへの愛らしさを感じました。続刊が楽しみです。

 

 

7位 涙煮込み愛辛さマシマシ

涙煮込み愛辛さマシマシ (ビームコミックス)

涙煮込み愛辛さマシマシ (ビームコミックス)

 

著者短編集3冊目。

人間の孤独の寂しさをえぐる新鋭作家。演出面が上手く、人間関係の不安定さをホラーとも思える鋭い切れ味で表現しています。“男女の恋愛”のみにテーマが固定されているにも関わらず、多様な引き出しで楽しくキャラクターの人生観を読ませてくれる。

 

 

8位 ワンナイト・モーニング

ワンナイト・モーニング (全1) (ヤングキングコミックス)

ワンナイト・モーニング (全1) (ヤングキングコミックス)

 

朝ご飯を巡る恋愛短編集。

少女漫画とは違った“有りそうな”社会人タイプで、好みの作品でした。なにより女の子の作画が可愛い。私は日暮キノコ先生の描く女の子が1番可愛いと思っていますが、肩を並べるほどの実力を感じました。

 

 

9位 ほぼほぼほろびまして

ほぼほぼほろびまして 1 (BUNCH COMICS)

ほぼほぼほろびまして 1 (BUNCH COMICS)

  • 作者:吉沢 緑時
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/05/09
  • メディア: コミック
 

終末は 家族と。親子で駆け抜けるゾンビワールド。

結構何度か読み返している作品です。漫画において“疎”に重点を置いていて、余裕がある進め方が癖になります。1話目を“街並みの上空”から始める漫画は逆に珍しい気がしますし、1巻だけの情報量の少なさも新しくて好き。世界観の謎を食い尽くす前に“終わらせる”のか“増やす”のか、前者であって欲しいな。

 

 

10位 TALKING DEAD

TALKING DEAD (ビッグコミックススペシャル)

TALKING DEAD (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: Kindle
 

お笑いコントのようなゾンビが主役のコメディ。

M-1キングオブコントとか観るレベルのお笑い好きの方は楽しめると思う。ゾンビの習性を理解したゾンビ達が「俺らってそういう所あるじゃん?」って言ってるだけで面白い。自分がゾンビになって始めて「群れをはぐれてるゾンビって…こういう意味があったんだ!」と気づく悲しさ。すごく良い着眼点だと思います。

 

 

 

 

総括

 

ダメダメ。特に新規が少な過ぎて話になりません。就職したのが原因でしょうか。

来年は多少は上手く回せると良いなとは思いますが、難しいかもしれない。オタク引退も近いな。

 

ではまた来年!